雇用者は、従業員の健康をどのように守る義務があるか。
雇用者は、法律上、従業員の健康を守る義務があります。雇用者は、適切な措置として守るべき指示を、従業員に与える事が出来ます。連邦参事会のCovid-19政令により、雇用者は、重症化する危険のある65歳以上の高齢者、高血圧、糖尿病、心血管疾患、慢性呼吸器疾患、癌などの基礎疾患を持つ従業員には、在宅勤務を認める義務があります。在宅勤務が不可能な場合は、有給で休業が認められます。雇用者による指示は、従業員の個人的権利を侵害出来ません。例えば、ワクチン接種の強制等は、違法に当たります。
感染予防の為欠勤出来るか。
直近情報によると、高齢者、基礎疾患等を持つ人でない限り、感染を恐れて欠勤することはできません。ただし、在宅勤務が可能か、雇用者と話し合えます。状況により、休暇を取ることができる場合もあります。症状がある、又は、感染者と接触し感染の疑いがある従業員は、自宅待機が出来、雇用者の給与支給継続が、義務付けられています。
感染による欠勤で、給与は支払われるか。
従業員が新型コロナウィルスと診断され、欠勤する時、雇用者は給与を支払う義務があり、従業員は、5日以内に、診断書を提出する必要があります。
休校措置により、子供の世話で自宅待機する時、給与は払われるか。
平常時、雇用者の給与支払い義務は、従業員が子供を預けられるのに必要な準備期間に、限定されます(最長3日)。スイス連邦政府は、現在の新型コロナウィルスの大流行という緊急時において、休校措置により子供の世話をするために休業しなければならない親の収入損失に対する、補償制度を導入しました。補償額は、収入の80%で、上限は一日196フランです。すでに別の社会保険か民間保険(例:「短時間勤務(独“Kurzarbeit”)」手当)から給付を受けている場合、又は、継続して給与が払われている場合は、当補償を受けることはできません。給与が継続して支払われる場合は、雇用者が受取人となります。
関係当局による事業停止の時、給与は支払われるか。
現在、スイス連邦最高裁判所による判例はありませんが、これは雇用者が負担しなければならないリスクであり、給与支給を継続すべき、と判決を下す可能性が最も高いです。一方、雇用者の経済的負担を減らすため、州当局に「短時間勤務」を申請出来ます。
雇用者は、従業員の有給休暇で、自宅待機を要請出来るか。
原則的に、雇用者は、従業員の休暇時期を決めることができます。
これは個別取り決めがない限り適用されます。しかし、雇用者は可能な限り、従業員の希望とニーズを考慮することが大切です。休暇の通知は、3か月前までに行われなければなりません。これは伝染病危機時でも変わりません。雇用者が急遽、自宅待機通知する時は、有給休暇から控除出来ません。
本記事は現在(2020年4月1日)の状況に基づき作成され、今後の、新型コロナウィルス感染の進展、政府の新しい法的判断と措置により変更の可能性があることを、ご留意ください。